ワンコインでつくる軽量Linuxノマドシステムのもっとも簡単な構築方法!
2015年7月14日火曜日
ノマド誕生の背景には、情報化社会とそれを支える技術の進歩があります。ブロードバンドが急速に普及し、無線LAN(ローカルエリア・ネットワーク)を使える場所が増え、外出先でインターネットを利用できる環境が整ってきました。まだまだ、地方には整っていない場所もありますが、クラウド・コンピューティングを利用することによって、自宅のパソコンだけでなく、スマートフォンなどを使って、喫茶店や移動の車内などでも仕事のデータにアクセスできるようになりました。このことは、どこでも仕事ができるというメリットだけでなく、仕事に必要以上に縛られてしまうというデメリットもあります。しかし、遠く離れた人と意見を交わしたり、様々な情報を手に入れたりすることも、容易になったことは喜ぶべきことです。また、産業構造の変化により、仕事の質ややり方も変化し、様々なスキルを持つ人たちが会社の枠を超えて参加するプロジェクトが増えてきていることも、要因の一つです。
このような時代の変化の中で、会社に属さずとも、IT機器と人的ネットワークを活用して、その時々の仕事に適した場所を移動しながら、従来よりもスピード感をもって仕事をしている人が、ノマドの実践者としてメディアで紹介されるようになってきています。新しい働き方で自分の仕事をより進化させるだけでなく、これまでできなかったことを実現したり犠牲にしていたものを取り戻したりするなど、従来型の会社勤めよりも自由な生き方として描かれる場合も多いと思いますが、新し仕事のやり方がものすごい勢いで浸透していることを考えると、そのことに対するルールを決めておかないと、ますます多忙になるのではないでしょうか。つまり、小さなコンピューターを操って多くの仕事をこなす姿はスマートで魅力的だが、IT機器を使いこなすスキルだけではなく、積極的な情報取得や仕事の配分のコントロールといった自律が求められてきます。ノマドは、単にオフィスを持たないフリーランスの仕事人を指すのではなく、その可能性に注目した言葉と言えるでしょう。
ここでは、ワンコインで入手できる8GBのUSBメモリにPuppyLinuxの派生ともいえるLxPupを導入し、コンピュータのある場所ならポケットに入るUSBメモリで仕事をサクッとこなそうという計画です。LxPupを選んだ理由は、 LxPup-15.06.1-s-pae.iso (日付: 2015-06-13, サイズ: 234.4 MB) という新しいバージョンがアップされていることや、ブラウザにChromeと互換性のあるchromium_43.0.2357.132+pepper_18.0.0.204_lx.sfs が提供されていることが大きな理由です。LxQtPup-14.12.01-s-nopae.iso というLXDE-QtとRazor-qtの成果物を統合したデスクトップ環境も提供されているので、どちらも起動できるようにしましたが、明らかにLxPupの方がメモリの使用も少なく、軽快に動作するのでLxPupの方をメインに使用することになりました。また、日本語化のためにlang_pack_ja-1.9.sfs をインストールし、さらにオフィスアプリケーションとして、LibreOffice-4.4.4_ja_xz.sfs を導入しました。これだけで、ほとんどの仕事がこなせるようになります。
2つのPuppyLinuxをインストールするのに、パーティションを構築しても良いのですが、ここでは最近興味をもっっているマルチブート可能なUSB ドライブを作成する!「YUMI (Your Universal Multiboot Installer) 」を使用することにしました。
1 まず、YUMI - Multiboot USB Creator をダウンロードし、起動します。インストールの必要はありません。ダウンロードしたファイルをクリックするだけです。「I Agree」をクリックして同意します。
2 USB Deviceを指定し、DistributionはLxPupはSlacko Puppyベースなので「Slacko Puppy」をisoファイルは自分がダウンロードしたファイルを指定します。その時に右下にある「Show All ISOs!」にチェックを入れておくと、ダウンロードしたファイルが現れます。ここまで、整ったら後は「Create」をクリックするだけです。
3 下のような画面が現れますが、当然「はい(Y)」をクリックします。
4 インストールがはじまりました。
5 下のような画面が現れれば終了です。「Next」をクリックします。
6 下の図のようにほかに加える「ディストリビューションはないか?」と聞かれるので、「はい(Y)」をクリックしてもう一つのディストリビューションを選択します。後は上記の繰り返しです。これだけで、自動的にマルチブートのUSBメモリが完成します。
7 すべてが終了しました。
8 早速、USBメモリから起動すると、下の画面のようになります。「Linux Distribution」を選択します。
9 インストールした2つのディストリビューションが現れます。
10 ここでは、「LxQtPup」を選びましたが、「LxPup」でも操作は同じです。まず、あらかじめハードディスクなどに保存しておいた、lang_pack_ja-1.9.sfs chromium_43.0.2357.132+pepper_18.0.0.204_lx.sfs LibreOffice-4.4.4_ja_xz.sfs をUSBメモリの中の「multiboot」→「LxQtPup・・・」「LxPup」のフォルダにコピーします。
11 メニューの中から「Setup」→「SFS Load on the fly」を起動します。
「OK」を選択します。
13 まずは、日本語化するために lang_pack_ja-1.9.sfs を「+Load」します。同様に、chromium_43.0.2357.132+pepper_18.0.0.204_lx.sfs LibreOffice-4.4.4_ja_xz.sfs も「+Load」してください。
14 lang_pack_ja-1.9.sfs を「+Load」した時点で下のようなウィンドウが現れます。「Countrywizard Coutry Setteings」にチェックをいれて「Run」をクリックします。
15 下の図のようにプルダウンメニューから指定します。
16 これで、日本語表示も、入力も可能になりました。
17 インターネットも思いのままです。
18 ここまで、「LxQtPup」で説明しましたが、「LxPup」でも同じです。僕はどちらかというとメモリ消費も少なく軽快に動作する「LxPup」の方が気にいっています。もちろんUbuntuやDebian、僕が仕事のメインに使っているlinuxBeanなどもUSBメモリに導入してマルチブートにすることも可能ですので試してみてください。
次は「Vivid Puppy」を導入しようと思っています。
≪ 今日の名言 ≫
私の名刺には社長と書いてありますが、
(岩田 聡 任天堂元代表取締役社長)