「全職員がLinuxデスクトップを使用している町役場は実在した」実在したと書いたのは、この二宮町は、市町村合併によって真岡市になったからです。
二宮町は栃木県にある人口約1万7000人の町。二宮尊徳ゆかりの町名と「いちご産出量日本一」で知られる。同町は,町役場の事務用パソコンのすべて,約140台をLinuxに入れ替えるという前代未聞の挑戦を行っていた。OSをLinuxにするだけでなく,オープンソースのOpenOffice.orgやFirefox,Thunderbirdでワープロ,Web,メールによる業務を行うことをしている。
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 同町が役場をあげてLinuxに移行することになったのは,IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施した「自治体におけるオープンソース・ソフトウエア活用に向けての導入実証」に参加したのがきっかけとなっている。
 この実験には二宮町のほか,北海道札幌市,沖縄県浦添市,大分県津久見市が参加している。しかし他の自治体は規模が大きいこともあるが一部部署への導入にとどまっているのが実態のようです。僕の知る限りでは、役場全体でLinuxデスクトップに移行するのは二宮町だけと思います。
 だがLinuxデスクトップへの移行は簡単ではありません。移行をはなばなしく発表したものの,頓挫した企業や団体もあることはご存じのとおりです。本当に行政事務でLinuxデスクトップへの移行は可能なのでしょうか。

「心配していたが,Windowsとほとんど違わない」というのが町役場の職員の感想のようでです。 「ええ,毎日Linuxを使っていますよ」、文書の作成やメールなど,Linux上のOpenOffice.orgやMozillaを使いこなしているそうだ。「Windowsとまったく違うのではないか,と心配していたが,実際に使ってみるとほとんど違わなかったというのが真実のようです。もちろん,細かい違いによる問い合わせはたくさんあった。例えばOpenOffice.orgのワープロを使っているときに「均等割付がうまくいかない」,「罫線の引き方が違う」といった声が寄せられたといいます。
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 どうしてもWindowsが必要な時のために,各課には古いWindowsマシンが残してある。これらは,各LinuxマシンからVNCと呼ぶオープンソース・ソフトウエアを使ってリモート・コントロールできるが,「Windows機に貼りついている職員はいない」という情報を得ています。

「問題は“慣れ”,これからも使い続ける」
 移行が可能であることは実証された。ただし,それが経済合理性の面で引き合うかどうか,がこれからの課題になると思います。
その後、真岡市になってからこの計画は中断されたと聞いています。非常に残念です。僕は、「問題は慣れ」というのが正解だと思うのですが。

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