WindowsXPのサポート終了をきっかけに、エンベデッド用OSを扱うITベンダーからも新しいサービスが登場しています。組み込み機器のメーカーやユーザー企業の中には、既存システムとの関係が壁になるなど新OSへの移行が簡単には進まないケースがあるからです。というか、そでなくても普通に仕事で使用しているコンピュータも、便利なアプリケーションやフリーソフトが動作しないこともあります。

 つまり、現在使用しているOSをWindows7やWindows8に置き換えるとなると、既存のハードやアプリケーションの見直しを迫られるのです。「将来はWindows7やWindows8に移行したい」と望んでも、大規模なシステム再構築につながるなら、ためらうユーザー企業や行政機関も出てくることが予想されます。移行をス ムーズに進めるには、予算や計画を詰めるなどの準備期間が必要ですが、WindowsXPのサポートはすでに終了しました。(2014年4月)

 そこでWindowsXPに代わるOSとして、XPと互換性のあるエンベデッド用OSをとりあえず導入し、本命OSまでの「つなぎ」として活用する、と いうサービスを打ち出すITベンダーが相次ぎ登場しているようです。東京エレクトロン デバイスのほか、NECやユニダックスなどが始めたそうです。

 たとえばNECは、「WindowsXPシステム延命サービス」という名称で12年から開始しています。具体的にはWindowsXPよりもサポート期間 の長いエンベデッド用OS「Windows Embedded Standard 2009」をXPの代わりにインストールすることで、既存システムを継続して利用できるようにするサービスのようです。

 Windows Embedded Standard 2009はWindowsXPと互換性があるため、アプリケーションの修正は不要になります。サポートは19年1月まで受けられるため、14年4月に WindowsXPがサポート終了になっても、さらに約5年の余裕が出てくるわけです。その期間を利用して、本命のOSに移行すればよいという考え方です。

 「WindowsXPを使っているユーザー企業の業務システムには、XPでしか稼動しないアプリケーションがある。サポート終了に伴い、基本的には Windows7やWindows8で移行するだろうが、対応が間に合わないアプリケーションも出てきます。重要なアプリケーションなら止めずに稼働し続け る必要があります。


こんな考え方を、応用して、既存の「Windows XP」に「Windows Embedded Standard 2009」のWindowsアップデートを適用するという夢のような方法が公開されていました。
Williams氏が発見したこの方法は、レジストリハックを使用して、搭載されたWindows XPにセキュリティアップデートを受けさせるというものです。実は、「Windows XP Service Pack 3」に同梱されている、「Windows Embedded POSReady 2009」はWindows XPのカーネルがベースになった組み込み機器対象のOSになっています。POSReady 2009のサポートは2019年4月まで続けられるのですが、セキュリティアップデートの内容はWindows XPのモノと全く同じになっており、Williams氏はレジストリハックを利用して、Windows XPでPOSReady 2009のセキュリティアップデートを受ける方法を編み出したいうことです。

Windows XP セキュリティアップデートの方法

1 「XP.reg」という名前のテキストファイルを作成します。名前をつける際は拡張子が「.txt」ではなく「.reg」であることを要確認。「XP.reg」を作成したら右クリックから編集を選び、32ビット版XPであれば、下記のテキストをコピーして貼り付けます。これだけのようです。

    Windows Registry Editor Version 5.00

    [HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\WPA\PosReady]

    "Installed"=dword:00000001

2 64ビット版XPを使用している場合は、こちらのテキストをコピーして貼り付け。テキストを貼り付けたら保存して終了し、アイコンをダブルクリックするだけで完了です。これで、POSReady 2009のセキュリティアップデートをWindows XPで毎月受け取ることができるとのこと。

    Windows Registry Editor Version 5.00

    [HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\WPA\PosReady]

    "Installed"=dword:00000001

実際にこの方法を行ってみました。

デスクトップ上に作成した、XP.regをダブルクリックすると次のようになります。

XP-reg

その後、普通に「Microsoft Update」を行うと「Microsoft Windows XP Embedded」というテキストが表示されて、うまくアップデートできているのがわかります。

Microsoft Windows XP Embedded

ただ、レジストリハックを使用してセキュリティアップデートを受け取る方法は、Windows XPを使い続けているユーザーにとって朗報となりそうですが、Williams氏は「Microsoftが対応して利用できなくなる可能性もあるので過度 な期待は禁物です」と話しているそうです。しかし、まだまだ、実際は使用できるOSを間違った根拠で、世界の人々に放棄させる体質が問題のような気がしま す。

また、僕は「Advanced SystemCare 7」も併用しています。これには「XPセキュリティ強化」という機能が備わっていて、しかも、今後も「Windows XP」をサポートしていくと明言されています。

XPセキュリティ強化

僕は、この方法でしばらくXPを使ってみようと思っています。何かトラブルがあったときは、ここで発表したいと思っています。