古くなったPCを修理してオープンソースOSのLinuxをインストールし、アフリカの子どもたちに寄付する活動をおじいちゃんのがいます。動画も公開されていますので、ぜひご覧になってください。

Video: 84-Year-Old Volunteer Rebuilds, Sends Linux Laptops to Africa | Linux.com

http://www.linux.com/news/featured-blogs/200-libby-clark/827669-video-84-year-old-volunteer-rebuilds-sends-linux-laptops-to-africa

84歳のジェームズ・アンダーソンさんは生涯牧師として働いてきて、IT業界に関わったことはなかったのですが、妻と共にジンバブエに13週間滞在してモザンビークとの国境付近の学校で算数を教えた経験から、ジンバブエの子どもたちを帰国後も支援できるような方法を探すことにしました。
もちろんIT業界には関わったことがないとはいえ、昔から機械いじりやPCが好きだったアンダーソンさんは、隣人から古くなったPCのリユース・リサイクル・寄付を行っている非営利団体Free Geekについての話を聞きました。その時、「Free Geekの活動を技術面で手伝える」と思ったそうです。「私はジンバブエの子どもたちがPCを簡単に使えるチャンスがあることに気づきました。しかし、その時点で私はメモリースティックとビデオカードの違いが分からないほど知識不足でした」とアンダーソンさんは語っています。このことを考えると、何かをやり遂げるというのは知識ではなく、情熱だということがわかります。
アンダーソンさんは2006年からFree Geekのメンバーとしてボランティア活動を開始しました。Free Geekのオフィスに1500時間以上も通い詰めて、授業や実習を積んで古いPCを改造する方法を学んだそうです。
しかし、最初にアンダーソンさんが考えていた「コンテナにデスクトップPCを詰めてアフリカに輸送する」という方法は、デスクトップPCが重すぎるため輸送が難しく、輸送費用も高額になることからあきらめたようです。そこでアンダーソンさんはFree Geek内の他のプロジェクトに携わり、自身のスキルを磨くことにしました。

1 アンダーソンさん
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そしてついに、2013年にアンダーソンさんはノートPC「ThinkPad」を修理してアフリカへ輸送する機会に恵まれたそうです。ThinkPadのスペックはIntel Pentium M シングルコアプロセッサ、RAMは2GBというもので、10年前に発売されたモデルのため時代遅れの型になっているのですが、Free GeekはThinkPadの寄付を募りました。
しかし、このスペックは僕がメインで使っているノートパソコンのスペックと同じくらいなのですが・・・

2 LinuxMintをインストールしたノートパソコン

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3 アフリカの子どもたち

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Free Geekではアンダーソンさんを筆頭にThinkPadを修理し、壊れたパーツは取り替えて、フォーマットし、Linux Mint 17をインストールして完全に使えるようになるまで修理しました。これまでに修理したThinkPadは100台以上にのぼるとのことです。

「ThinkPadは現代最速のPCではありませんが、キーボードでの文字入力やPCの操作を子どもたちが学ぶには十分です」とアンダーソンさんは語っています。また、アンダーソンさんはThinkPadの修理について、知識のない子どもたちにコンピューター・リテラシーを教えるだけでなく、Linuxというオープンソース技術を取り入れたFree Geekの組織やメンバーたちにも価値のある経験を提供していると考えているそうです。

日本もぜひこういう形で世界に貢献できたらと思うのですが、どうでしょうか?

この話を聞いた時、僕はTOP (Tacky Optimizing Puppy) Linuxのことを思い出しました。

TOP (Tacky Optimizing Puppy) Linuxとは、途上国で国際開発関係者が利用することを想定して作られた LiveCDディストリビューションで、以下のような特徴があります。

1. ほぼ全ての言語の表示と入力が可能なため、どんな国で利用しても、読み書きのトラブルが発生する危険性が低い。(多言語入力環境scim-m17n及び万国統一フォントUnifontを利用。)

2. 途上国で頻繁に見られるPCトラブルに対応できるよう、メンテナンス用のツールが充実している。(バックアップにPartimage、データ復旧にTestdisk、ウィルス対策にClamTkと、様々なツールを利用可能。)

3. Linux未経験者でも容易に操作を行えるよう、見映えと操作感を可能な限りWindowsに近付けた。(Xfceデスクトップ環境を利用。)

4. 以上の特徴を盛り込みつつ、OSのサイズを100MiB以下に抑えたことで、機敏な動作が実現した。(RAMが256MiB以上あれば完全にオンメモリ動作する。それ以下でも、HDDやUSBメモリへのインストールで快適度は向上する。)

5. 動作が重いケース(とても古いPCで利用を試みるなど)を想定し、Xを立ち上げなくても容易に様々な操作を行えるよう、FD clone、MP editor、w3m、dhclientなどのコンソールアプリを補った。

6. 日本語ユーザの利便性を考え、基本的な日本語化を施した。(MenuからLanguageカテゴリのChooselocaleを選択し、ロケールをja_JP.UTF-8に変更することで、メニューなどの日本語化が有効になる。)

7. 十分なInternet環境やPC性能を持つユーザのため、様々な機能を容易に追加できる特別モジュール(ulmt_421.sfs)を、 Unlimited版のISOには盛り込んだ。このモジュールを個人保存ファイル(pup_save.2fs)と同じ場所(/mnt/home)にコピーすると、以下のアプリケーションが有効となる。
- Psip, Transmission, Axel, Pdict(各種Internet関連ツール)
- Firefox with Flash(豊富なアドオンで機能拡張できるブラウザ)
- Thunderbird with Lightning(個人管理ツール付きのメーラー)
- OpenOffice with JRE(MS Officeの代替となる機能を提供)
- Stardict(多機能な英英/英和/和英辞書、全文翻訳にも対応)
- Pidgin(マルチアカウントなインスタントメッセンジャー)
- Gimp(Photoshopに対抗できる高機能画像エディタ)
- Avidemux(幅広い保存形式に対応できる動画編集ソフト)
- Audacity(マルチトラック対応の音声編集ソフト)
- TuxGuitar(楽譜の編集と再生を容易に行える音楽環境)
- Wireshark(ネットワーク解析には外せない便利ツール)
- Wine(一部のWindowsプログラムを実行可能にする環境)

4 TopLinuxの画面

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魅力のある TOP (Tacky Optimizing Puppy) Linux ですが、現在開発がストップしているようです。ぜひ、新しいPuppyLinuxで TOP (Tacky Optimizing Puppy) Linux を開発してほしいものです。

≪ 今日の名言 ≫

いま以上の何か、ここではないどこかにある幸せ、それを追い求めても、そ れは蜃気楼です。
近づけば近づくほど、遠のいていきます。いまここにある もの、それに満足することが幸せなのです。 (マハトマ・ガンジー インド独立の父)