wattOS Release 9がリリースされました。以前から、軽量で省電力というふれこみなので、注目していました。 Release 9 は 当然、debian jessieベースになるかと思われましたが、意外にもUbuntuベースにもどっています。jessieの使用メモリーの増加が軽量、省電力に似合わないと判断したものと思われます。ベースになっているのは、Ubuntu 14.04 LTS で日本語版は wattOS-R9-32-jp.iso からダウンロードできます。ライブ起動時のログインユーザー名は「guest」、パスワードは入力しません。

wattos-r9-lxde

さて、ここで以前、wattOSが採用していた、DebianとUbuntuを比較してみました。
Ubuntuについてですが、デスクトップ版とサーバー版の二種類があります。サポート期間としてデスクトップ版は標準の3年と長期(LTS)の5年に分かれています。新しいバージョンが発表される間隔は半年ごとにリリースされます。サーバー版のサポート期間はおおよそ5年です。
一方、Debianは安定版 (stable)、テスト版 (testing)、不安定版 (unstable)、実験版 (experimental)という4種類の版が同時に公開されています。そして安定版 (stable)を元にサーバー用途で使われることが多いようです。各バージョンのサポート期間の定めはありませんが、近年の傾向としてはおおよそ3年前後です。
UbuntuとDebianはLinuxというディストリビューションとして比較すると大変よく似ています、それはUbuntuがDebianをベースにしているのですから当然と言えば当然の結果だといえます。
強いていうならば、Ubuntuをユーザー側の視点を重視しているとすると、Debianは開発視点重視といえなくもありません。
UbuntuパッケージとDebianパッケージは、どちらもDebianのソースを元にしています。
Debianのパッケージは当たり前ですがDebianのソースをDebian用に作成しています。UbuntuはDebian用にビルドされたパッケージを使っているのではなくて、Debianのソースを元に新たにUbuntu用として独自ビルドされているのだそうです。ですから全く同じパッケージではないということです。
また、Debianの開発者はボランティアで構成されていますが、Ubuntuは企業であるCanonical社が開発者を従業員として雇用し開発しており、一部のDebian開発者も従業員として雇用されています。
これらの相違は物事を決める際の考え方として現れていて民主的か企業的かの違いなのかもしれません。責任の所在も民主的な場合よりも企業的な場合のほうがより明確になるような気もします。
これらの違いによりUbuntuが多くのユーザーに支持され人気者になったのではないかという事も言われています。
またDebianがサーバーとして人気があるのも開発者の安定重視の考え方が受け入れられているのだと考えられます。