wattOSは、その名のとおり省電力指向の軽量ディストリビューションです。これまでUbuntu派生のLubuntu 13.04をベースに作られた「wattOS」を提供してきたが、さらに軽量化した「wattOS R7 Microwatt Edition」をリリースしたようです。Microwatt版では、ウィンドウマネジャーに「PekWM」を採用していますので、軽量デスクトップ環境「LXDE」より 一層の軽量化を図られています。Webブラウザーについても、オープンソース版Chromeブラウザーの「Chromium」から、WebKit採用のQT環 境向けWebブラウザー「QupZilla」に置き換えられていて、軽量化に磨きがかかっています。これらの軽量化策によって、wattOS R7 Microwatt版の起動直後のメモリー使用量は77Mバイトに留まっています。軽量化の結果、通常版には搭載していたメディアプレーヤーの「VLC」、グラフィックスソフトの「Pinta」、ワープロの「AbiWord」、表計算ソ フトの「Gnumeric」、オーディオプレーヤーの「Audacious」といったソフトは省略されています。代わりに、これらのアプリケーションをワンク リックでインストールできる「mystuff 2.0」を搭載しているので心配いりません。「Graphics Editing」や「office apps」といったアイコンを用意し、例えばGraphics Editingでは「Pinta」を導入できるように配慮されています。

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 wattOSのインストールイメージは、「PlanetWatt公式サイト」でISOイメージファイルを入手できます。ISOイメージのファイルサイズは454Mバイト。最近では珍しくCD-Rに収まる大きさです。Puppy Linuxと同様に、CD/DVD-RメディアやUSBメモリーに書き込んでライブメディアを作成できます。ライブ起動後は、ユーザー名「guest」、パスワードは空でログインする。無線LANへの接続は「Edit Connections」で「Wi-Fi」の「edit」ボタンを押し、「Wi-Fi Security」タブで「Password」欄を入れます。 インストールするには、「Preferences」の「Install wattOS-R7 Microwatt」をクリックする。Ubuntu 13.04と同じインストーラーが起動しますが、日本語ロケールは含まれていないので「English」を指定して進めるようになります。

本家からダウンロードして、日本語化をするというのが一番オーソドックスな方法ですが、最初から日本語化されたイメージをダウンロードしたい場合は、ライブCDの部屋からもダウンロードできます。次のリンクをクリックするとwattOS-R75-Microwatt-jp.isoダウンロードが始まります。

本家からダウンロードして、自分自身で日本語化したい場合は次のようにします。

日本語フォントと日本語入力ソフト(日本語IME)「Mozc」の追加、言語ツールの補完インストールなどで日本語環境を使えるようにします。


1 タスクバーの「Terminal Emulator」で端末を起動し、次のコマンドを入力します。 $ sudo apt-get update $ sudo apt-get install language-pack-ja language-selector-gnome ibus-gtk3 fonts-takao ibus-mozc wamerican wbritish ibus-anthy


2 パッケージのインストールが完了したら、「Preferences」-「Language Support」で「日本語(日本)」の優先順位を最上位にし、ログインし直してからiBusの設定ツールで日本語IMEの状況表示(言語バー)を有効にします。 インストールしただけでは有効になりませんので注意してください。


3 次にターミナルから、次のコマンドを入力します。

$ ibus-setup


4 「IBusの設定」が起動したら、「General」タブの「Show language panel」は「Always」にしておきます。半角/全角キーまたは[Ctrl+Space]キーで日本語モードに切り替わるようになります。


5 標準の端末(Eterm)では、設定ファイルを書き換えなければ日本語を表示できません。そこで日本語対応の端末ソフトに切り替える。「設定」-「Synaptic」で「sakura」と検索するか、Etermで次のように入力します。


$ sudo apt-get install sakura


少し残念なこと 使いやすくなったwattOS R7 Microwatt Edition。ただ32ビット版の場合、今のUbuntuベースのディストリではPAE(Physical Address Extension)対応のCPUが必要になります。PAEはPentium Pro以降に搭載されたアドレス拡張機能。この機能が使用できないと動作しないことになります。 軽量のOSを選択するというのは古いコンピュータを有効に利用したいという方もいると思いますので、このへんは解決してほしいところです。